今日は雷が鳴って 雨が降っているのに日が差して、
変なお天気でした。
秋祭りも もう終わり。
お囃子 笛や太鼓の音 担ぎ手達の唄声
焼きそばや リンゴ飴 当てもの くじ引き。
そうそう。 昔の事を思い出しまして。
小学生の頃、 見世物小屋に入った事があります。
私はその日 兄と二人でお祭に行きました。
小屋の入口には お化け屋敷のような
おどろおどろしい絵が描かれ、
客を呼び込むおじさんの声に 大人も子供もひきつけられていました。
兄はもうすでに ワクワクしている様子でしたが、
私は本当は怖くて中に入るのは嫌だったのです。
でも子ども二人きりで来ているので
はぐれたくありませんから 渋渋、一緒に入ったのでした。
お客さんは大人達が多くて
笑い声や 「 おお~ 」っという驚きの声と拍手を
聞いた様に思います。
ホンマの事を言うと
私は 一体何が面白いのか解らず、
しかめっ面をしていたかもしれません。
もう終わりの頃に、 とても大きな蛇を抱えた舞台上の人が
「 蛇に触りたい人は どうぞ触って下さい 」と言いました。
私は ギョッとしましたが、
沢山の客が 舞台の方へ向かい始めました。
兄もまた然り。

この人は私と違って 生き物が大好きなのです。
動物園でカメレオンを見た時、
「 あれが欲しい! 買って買って!! 」と
父にせがんで困らせて 駄々をこねる様な少年でした。
そんな兄を見て 私はまだ小さかったくせに
果てしなく冷めた目で
( ・・・あほちゃうか ) と思った記憶があります。
ホントに可愛くありませんねぇ (笑)
舞台へ向かった兄を目で追っていると、
こちらを振り返って 大きく手招きするではありませんか。
( おチェル 早よ来い!! )
蛇を触りたくなんかないですが、 それよりも
周りの知らない大人達の中に置き去りにされる方が怖かったのです。
私は他の人たちの間から手を伸ばして
ジッとしている蛇を ササッと触りました。
そして兄と二人で小屋から出ました。

別の日、 同じ場所へ行くと
もうお祭りは終わっていて 出店もあの小屋もありませんでした。
そこは 静かな場所に変わっていました。
いえ、 変わったのではなく 元に戻っていたのです。
出店も小屋も 次の営業へ行ってしまったのです。
今なら当然理解できます。
でも その時の私は小さかったからなのかアホなのか、
“ お商売 ”が理解できず
別の世界に消えていった様な気がして
祭の後の静けさに ほんの少し恐怖を感じていたのでした。
そこで見たものが 全て本物だったかどうかは置いておいて、
好奇心で盛り上がった騒がしい小屋の中での光景と
何もない穏やかな静けさとの差が とても奇妙で、
私は振り返るのが怖くて
多分、走ってその場から離れたと思います。

やがて私は 道で迷っても泣かなくなり、
終わりも 侘しさも知り、
忙しさに 寂しさを忘れる事も知りました。
いろんな感情も覚えました。
肺の中に重い鉛が入っている様な苦しい夜もあります。
弾けさせればきっと楽でしょうが、
抑える事に慣れる事も経験で覚えてゆくのですね。
慣れ過ぎないように それを違う方向へ持っていく事も知りました。
まぁ ぼちぼちですわ。

お天気の良い日、 黄昏時の空は紅茶のように綺麗ですね。
昼と夜がまじりあう時間は短くて
移ろう季節のように 空の色は変わってゆきます。
青空と 赤い夕焼けの色が濃い日は
月も鮮やかでしょうか。
私のいる所は石山寺ではないけれど
見える範囲で 静かに秋月を感じ取り眺めたいと思っています。
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